日本初の西洋式演劇劇場として、1911年に杮落としがおこなわれた「帝国劇場」は、日本の近代芸能の歴史そのものといっていいでしょう。明治維新以降、西洋文化がぞくぞくと輸入される中、オペラやシェークスピア劇など、西洋を代表する芸能がこの「帝国劇場」で上映されました。もちろん歌舞伎などの日本の芸能もここで上映され、東京という大都会の、その芸能活動の中心地としての役割をしばらくの間担い続けることになるのです。
関東大震災での焼失と再建
そんな「帝国劇場」でしたが、1923年に起きた関東大震災時の火災で、外側だけを残し焼失してしまいます。しかし、娯楽を望む市井の人たちの後押しもあり、翌年には再開を果たします。その後、1966年に現在の建物に生まれ変わり、今も日本の芸能界で重要な役割を担っているのです。